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幸せな働き方
“幸せな働き方”探求
Feb 04, 2025
「高額療養費制度」自己負担額引き上げか? 社員の病気治療に備え、企業・組織が行うべき対策!! 

高額療養費制度」自己負担額引き上げ審議を受けて

「高額療養費見直し・引き上げ」に待ったをかける動きとは少し異なる角度で、企業・組織のサステナブル経営の観点から本件について記述しています。

 

国会の新年度(2025年度) 予算案の審議に注目が集まる中、「高額療養費見直し・引き上げ」について関係団体などを通じ、メディアでも疑義が報じられています。

高額療養費制度は、セーフティネットとしての役割を持ち、現在疾患を抱え、治療をしている方々の短期的な支援だけではなく、将来「万が一、疾患を抱えた時に高額な治療費が払えるのだろうか?」といった不安を軽減する精神的健康とも深く関わっています

 

現役世代の負担軽減と安心・安全に働ける環境の両立

 

現役世代の方々の多くは、民間保険(生命保険) の備えをしていると思います。

しかし、手術、入院、高度医療、長期治療などを受ける可能性もあり、相応の保険給付を見込む場合、年間保険料(掛け金) も高額となり、高額療養費制度による自己負担額の上限が一定水準を満たしていることで安心に繋がります

 

仕事とがんなどの治療を両立している方々の多くは、自身でも予測困難な体調変化が生じることによって、職場に対する心苦しさを感じながら仕事を継続しています。

 

それに加え、放射線・化学療法、合併症や副作用などによる精神的、身体的負担、高額な治療費や検査費による経済的なダメージを受けています

 

一般社団法人 全国がん患者団体連合会(全がん連) が今年1月実施した調査結果(3,623人の声) において、仕事と治療の両立をしている方々からの声としても高額な治療費を捻出するために多少無理してでも働き、生計を立てていかなければならない切実な現状が伺えます。

 

疾患を抱えながらも働く方々がいることで、政府の打ち出すさまざまな政策の財源確保や社会課題に寄与していることを考慮すべきだということは言うまでもありません。

 

今回の自己負担額引き上げについて、厚生労働省によると、「健康な方を含めた全ての世代の被保険者の保険料負担の軽減を図る観点」からの見直しとしています。

 

この引き上げの背景には、

■超高齢化による医療保険制度における実効給付率(医療保険でまかなわれる割合) の増加

■子ども関連政策の財源確保

などがあると見られます。

 

当然、過剰医療費削減や子ども関連政策推進の必要性はあるものの、高額療養費にメスを入れる前にやるべきことがあるのではないか、石破首相の掲げる「楽しい日本」との隔たりを感じずにはいられません。

 

中小企業の賃上げが厳しい状況下で、働き手の負担を強いる政策が施行されることは、疾患の有無にかかわらず、幸せに働く道筋を後退させてしまいかねません。

経営者のリーダーシップで社員の安心・安全を守る 

とは言え、政策を問題視したところで解決できるわけではありません。

社員の病気治療に備え、企業・組織が行うべき対策は、個々の形態によってさまざまな策が考えられますが、まずは基盤を整えるべく、社員の声に寄り添い、対話を重ねることも大切です。

企業・組織はサステナブル経営の観点から、民間主導での社員の働きやすさや働きがいを見出す企業力向上を持続的に図ることが不可欠です

 

一時的な賃上げで終わるのではなく可処分所得を増加させる給与体系の整備、柔軟な働き方の推進(複業促進、時間的制約の緩和、休業・復職支援 など)、公的給付に関する情報提供・手続き支援、独自の病気療養手当の拡充、社員のキャリアプランをかなえるサポートなど制度を見直し、円滑な運用を可能にする体制強化が要されます

 

より多くの方々の幸せな働き方を実現するためには、企業努力による安心・安全に働くことのできる環境づくりを継続しなければなりません

人材戦略における人事制度を時代に即したものにアップデートし、経営者がリーダーシップを発揮することによってプラスの変化をもたらすことが期待されます。

◎見直し(案) は、令和7年8月から令和 9年8月にかけて段階的に実施

 

◎高額療養費制度とは

「ひと月に医療機関に支払った額が高額になった場合に、定められた上限額を超えて支払った額を払い戻す制度です。上限額は、個人や世帯の所得に応じて決まっています (厚生労働省) 」

 

 

当社では、人材戦略を専門とする、両立支援コーディネーター(仕事と治療の両立推進) 、健康経営アドバイザーによる、企業・組織の対応に関するご相談を承ります。

お問い合わせは、こちらのフォームにて受け付けています。

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