「哲学しましょう!」​
2019.5.2

今まで、私が人材戦略・人材育成に携わる中で、様々な働き方、生き方に触れてきました。

自身の発している「ことば」、「考え方」を振り返ってみると、約30年前に在籍した大学の精神に基づくものだということに、最近気付きました。

 

バブル期の当時は、志望校に受からず、「負け組」としてこの先の人生を歩むことになるという漠然とした不安を抱いていました。

その状況を回避するためには「職業人として成果を出せる人間になるしかない」と思い、大学生になってからは「知名度よりも質の高い学び」に敏感になっていたのを思い出します。

 

『令和』という新たな元号になり、平成元年の成人式、大学生活を過ごした母校を懐かしみ、大学のホームページを見てみました。

1887(明治20)年、哲学者・井上円了が創立した「私立哲学館」から始まった大学です。

「哲学とは、「万物の原理を探り、その原理を定める学問」であり、それは観念的演繹的な哲学ではなく、事実と実証に基づく哲学であるという点が強調されました。(中略) 円了が教育で目指した哲学は、いわゆる「哲学者」の養成ではなく、思想や精神を錬磨する術(すべ)であり、他に応用する能力も身につけなければならないものであると説いています。」*と記されています。

「大学の教育理念」*は、

【自分の哲学を持つ】

多様な価値観を学習し理解するとともに、自己の哲学(人生観・世界観)を持つ人間を育成する。

【本質に迫って深く考える】

先入観や偏見にとらわれず、物事の本質に迫る仕方で、論理的・体系的に深く考える人間を育成する。

【主体的に社会の課題に取り組む】

社会の課題に自主的・主体的に取組み、よき人間関係を築いていける人間を育成する。

とされています。

 

これは、AI時代に入った世の中においても、非常に重要な教育理念だと改めて感じます。

この先、多くの仕事がAIに置き換えられると、しばしば言われています。そんな中、「人にしかできないことは何か?」という問いを見聞する機会も増えています。

様々な解釈はあると思いますが、「誰がやっても同じ」、「誰にでもできる」と言われる類いの仕事、言い換えると、あえて人間が行う必要がない単なる作業は人の仕事ではなくなるでしょう。それに加え、意思決定の内容によっては、人間でなくても良いという分野もあるのではないかと。

AI化で人間の仕事がなくなることが議論される時、これからは「人間力」が大切だとも言われています。ただ、「人間力」と一括りにすると表現としては簡単ですが、内容がわかり辛いとも言えます。

少なくとも、AI化を加速させるために必要なデータの収集や情報を解析するスキル、また対話ができるレベルではなく、相手の気持ち・立場にたって配慮できる高質なコミュニケーションスキルを兼ね備えておくべきかと思います。

 

私自身、時代背景に照らしながら、事業の核となる人材戦略を追求し続けるためにも、4年間過ごした大学の教育理念をいま一度しっかりと受け止め、哲学を難しい学問としてではなく、ごく身近に触れてみようと想っています。

『令和』を迎え新鮮な気持ちで「哲学しましょう!」と題し、今後も引き続き人材戦略の観点から哲学について発信するとともに、理解を深めていきます。

 

* https://www.toyo.ac.jp/ (東洋大学ホームページ)

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